9月29日から10月6日にドイツのキルヒハイムで開催された、世界ナンプレ&パズル選手権*。世界30か国以上からナンプレ・パズルの精鋭が集まったこの大会で、日本は今年も大活躍。世界ナンプレ選手権では昨年に続き、個人・団体で優勝、世界パズル選手権では、個人2位、団体3位という成績でした。
また、今年新設されたナンプレW杯(Sudoku World Cup)、パズルW杯(Puzzle World Cup)**部門では、ナンプレW杯は2位、パズルW杯は1位から3位までを日本人選手が占めるという快挙でした。
さらに、世界選手権中に毎年開催されているSudokuGP(SGP) Final、PuzzleGP(PGP)Final***も、今年から形式が大きく変わりましたが、こちらもSGPは3位、PGPは1位から5位までを日本人選手が占めるという快挙となりました。
参加した選手たちもパズル漬けの一週間を堪能したようです。最後にみなさんのコメントがありますので、そちらも合わせてお楽しみください。
会場は、フランクフルト空港から車で1時間半あまり、
森と湖の美しい風景の中に立つホテル・ゼーブリック。
大会の様子
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第14回 世界ナンプレ選手権(WSC)
The 14th World Sudoku Championship
●個人の部
1位 遠藤憲
2位 森西亨太
3位 Tantan Dai(中国)
左から(以下写真同じ)Tantan Dai選手、遠藤選手、森西選手
●団体の部
1位 日本
2位 中国
3位 チェコ
4名チェコチーム、5名日本チーム、4名中国チーム
※プレーオフ前は、
中国、日本、チェコ、フランスの順でした。
<Sudoku World Cup>
1位 Tantan Dai(中国)
2位 森西亨太
3位 Letian Ming(中国)
Letian Ming選手、Tantan Dai選手、森西選手
※日本からは、森西選手、遠藤選手の2名がプレーオフに進出。
<SudokuGP Final>
1位 Jakub Ondroušek(チェコ)
2位 Bastien Vial-Jaime(フランス)
3位 森西亨太
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9位 條秀彰
10位 杉本卓也
杉本選手、森西選手、條選手
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第28回 世界パズル選手権(WPC)
The 28th World Puzzle Championship
●個人の部
1位 Philipp Weiß(ドイツ)
2位 遠藤憲
3位 Walker Anderson(アメリカ)
Walker Anderson選手、Philipp Weiß選手、遠藤選手
●団体の部
1位 アメリカ
2位 ドイツ
3位 日本
4名ずつ、ドイツチーム、アメリカチーム、日本チーム
※プレーオフ前は日本、アメリカ、ドイツ、スロバキアの順でした。
●18歳以下の部
1位 Walker Anderson(アメリカ)
2位 千葉遼太郎
3位 Péter Gyimesi(ハンガリー)
Péter Gyimesi選手、Walker Anderson選手、千葉選手
※千葉選手は、ベストルーキー賞も獲得。
●50歳以上の部
1位 有松太郎
2位 David McNeill(イギリス)
3位 Čedomir Milanović(セルビア)
David McNeill選手、有松選手、Čedomir Milanović選手
※有松選手は、50歳以上の部、四連覇!
<Puzzle World Cup>
1位 條秀彰
2位 遠藤憲
3位 森西亨太
森西、條、遠藤各選手
※日本からは、プレーオフには上記3選手と木村、有松、川辺各選手が進出。決勝戦は條、遠藤、森西、木村選手の4人による日本人対決となりました。
<PuzzleGP Final>
1位 遠藤憲
2位 森西亨太
3位 條秀彰
4位 木村友哉
5位 川辺優喜
木村、森西、遠藤、條、川辺各選手
注)*
今年はWSC、WPCとも、個人の部はプレーオフがなく、個人戦の全ラウンドの合計点で順位が決定(対象となるのは、Aチームの選手のみ)。
注)**
Sudoku World Cup、Puzzle World Cupは今年初登場。チームに関係なく、すべての選手が参加できる。指定の3ラウンドで、徐々に選手を絞り、プレーオフで優勝者を決める。個人戦のみ。
・Sudoku World Cup 1Rの上位100人が2Rへ→2Rの上位40人が3Rへ→3Rの上位10人がプレーオフに進出
・Puzzle World Cup 1Rの上位100人が2Rへ→2Rの上位40人が3Rへ→3Rの上位16人がプレーオフに進出
注)***
SudokuGP(SGP)、PuzzleGP(PGP)
WPF(世界パズル連盟)がオンライン上で主催している、誰でも参加できるトーナメント。今年は1月から7、8月にかけて、それぞれ8回行われている。そのうちの6つの大会(ベスト6)の合計点でランキングが決まり、トップ10の選手10人が、WSPC大会中に行われるFinalに招待される。
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※以下、各選手のコメントです(敬称略)。
五十音順で、( )内は参加したチームです。
有松太郎(WSCーB、WPCーC)
とても楽しい1週間でした! 今回の開催国ドイツは日本・アメリカと並ぶパズル強国で、用意された問題は洗練された良問ばかりでした。他の日本選手が上位で活躍する中、私の成績は今ひとつ(歳を重ねるに従って緩やかに下降しています)でしたが、パズルのシニア部門(50歳以上)では想定通り優勝できました。
遠藤憲(WSCーA、WPCーA)
望外の優勝もあり、悔しい敗戦もあり、いつにもまして「気づいたら終わっていた」感の強い一週間でした。一年間の成長を感じながらも、多くの課題を認識させられたので、また来シーズンに向けて新たな気持ちで進んでいきたいと思います。
奥間啓水(WSCーA、WPCーC)
WSC・WPC共に参加で1週間程過ごしましたが、どちらの大会も質の高い問題が多く、とても楽しい日々を過ごすことが出来ました。WSCはAチームで参加させて頂きましたが、団体の方は昨年に続いて優勝できとても嬉しいです。個人の方は目標の成績に届かなかったので、今後さらに上位を狙えるよう頑張りたいです。
梶原裕希(WSCーB、WPCーC)
ナンプレ・パズルのことがますます好きになる、楽しくてとても勉強になる一週間でした。今回新人枠を使ったということで来年以降は茨の道ですが、再び世界大会に出場できるように一から頑張っていきたいと思います。現地でお世話になったチームメイトやスタッフの皆様、日本で応援してくださった皆様、ありがとうございました。
川辺優喜(WSCーC、WPCーA)
久々のAチームだったこともあり、ほぼWPCに特化して準備をしていましたが、結果は自己最高の9位と、何とか目標の10位以内を達成できました。タイトルが取れず、結果は振るわなかったものの、各プレーオフにも参加することができ、充実した大会を過ごせました。ナンプレも鍛えつつ、また参加することが出来ればと思います。
木村友哉(WSCーB、WPCーB)
B代表ながら、幸運にもプレーオフを3回経験できました。上位には一歩及びませんでしたが、静かな緊張感漂う中でのパズルは貴重な体験でした。順位以外にも、ペンシルパズルの世界の可能性を多々感じる大会でした。パズルも数独も精進。
條秀彰(WSCーA、WPCーA)
10月のドイツは過ごしやすい気候で、快適に過ごすことができました。大会については、WPCでの大失敗が悔やまれます。第28回大会に因んで28×28の問題だけで構成されたラウンドがあったのですが、難問の終盤で破綻し続け、制限時間の7割以上が無駄になりました。とは言え、Puzzle World Cup では優勝できましたし、競技パズルはこれからも続けていきたいです。
杉本卓也(WSCーB、WPCーC)
応援ありがとうございました。個人的には、肝心なところで成果を出すことができず悔いの残る結果となりました。日本チームの皆さんの素晴らしい結果を誇らしく思うとともに、自分ももっと頑張らなければ、と痛感しております。来年以降も世界大会に出場し、上位進出できるよう頑張りたいと思っています。
千葉遼太郎(WSCーC、WPCーB)
目標としていたWSC100位とWPC20位は両方とも超えることができました。WPCのラウンド3の誤答で大量に点を失ってから方針を変え、見直しを重視したのが功を奏したのかと思われます。6日間、あっという間でした。来年も参加したいです。
森西亨太(WSCーA、WPCーA)
自身の結果よりも、「他の日本人選手、皆すごいなあ」という印象が強かったです。また、今年のWPCは過去に何度も優勝しているUlrichが運営のリーダーを務めていました。今年は選手ではないにもかかわらず、運営として心から大会を楽しんでいるようでした。私も何度も選手として参加していますが、一度は世界大会の運営、できればリーダーをやってみたい気持ちが出てきました。
山本和也(WSCーC、WPCーB)
今年は2回目の出場ということで、前回よりも良い順位を目指していたので、その目標を達成できて良かったです。World Cupでの誤答が悔やまれますが、悔しさも含めて充実した大会でした。また出場したいです。
吉森孝成(WSCーC、WPCーB)
初めてのドイツなのに1日を除いてずっとパズル漬けでまったく観光していませんが、それでも十分楽しかったです。来年の大会も是非参加したいですが、トップランカーが何人もいるなかで予選を勝ち上がらないといけないのは大変そうです。
皆さん、大変おつかれさまでした。
2019・10・21