7 月28・29 日に中国の北京で開催された中国ナンプレ・パズル選手権2019。中国の国内大会ですが、昨年に続き、日本選手のオープン参加の招待が主催者より届きましたので、一般のみなさまから参加者を募り、参加してまいりました。
今回の日本選手団は、青木剛理選手と円田洋一選手の2 名。青木選手は、海外の大会は初参加、円田選手は昨年に続いての参加です。
北京首都国際空港で笑顔を見せるお二人。
向かって右が青木剛理さん、左が円田洋一さん。
会場は、北京首都国際空港から車で約1 時間ほどのところにある「ニルヴァーナ リゾート 北京」というホテルです。広大な敷地内に、ホテルや公園、レクリエーション施設など点在しています。
池越しに見た、宿泊しているホテル。ちょうどハスの花が咲き誇っていました。
ホテルに落ち着いて少しリラックスしたあとは、翌日からの大会に備えて、インストラクションの研究です。大会冊子はすべて中国語で書かれていますが、事前に、主催者から英語版のインストラクションが送られてきました。
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28 日は一日、ナンプレ選手権です。中国各地の予選を勝ち抜いた 200 名を超える選手に、海外からインド、韓国、日本、フィリピンのオープン参加者を加えた選手たちが、午前中は準決勝 4 ラウンド、午後は決勝 4ラウンドを戦いました。
ナンプレ選手権は、海外オープン参加選手によるインターナショナル部門で、5 点差で 3 位を逃した青木剛理選手が 4 位、円田さんが 6 位という結果でした。
夜は「数独之夜」というイベントがあり、各種表彰式だけでなく、パフォーマンスなども披露され、楽しい一夜となりました。
↑イベントの開会前に、大会中の写真がランダムにスクリーンに映し出され、われらが選手二人も登場。真剣な表情が印象的。
楽しいといえば、食事! ビュッフェスタイルなので、好きな料理が楽しめるのですが、その種類が豊富で、毎回、何を食べようか迷うほどでした。
青木選手は、毎回、見ただけではどんなものかわからない料理に挑戦するチャレンジャーでした。
円田選手は大会中は、糖分多めが基本とか。毎回デザートをどっさり食べていました。
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29 日の午前中はパズル選手権。これで全日程が終了になります。場所は会議室のような部屋で、参加人数は約 40 名ほどと、ナンプレと比べると規模がだいぶ縮小されましたが、選手たちには十分楽しめる大会だったようです。
パズル選手権は、インターナショナル部門で、青木剛理選手が 2 位を獲得。1 位のプラサナ選手(インド)の背中が見えていただけに、ちょっと残念ですが、今度はしっかりトロフィーを手にしました。
パズル選手権終了後は、喜びをかみしめる暇もなく、慌ただしく空港へ! あっという間の 2 泊 3 日でした。
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以下は、参加されたお二人の選手のコメントです。
●大会に参加して (円田洋一)●
昨年に続き参加させていただきました。出題は僕には難しすぎるものが多かったですが、質は高かったです。中国の選手は、特にナンプレ大会はとても若く 10 代が目立ちます。また女子が多いし強い。
実際、僕の隣の席になった 13 歳女子は、休憩時間ごとにうるさい外国人に話しかけられていたにもかかわらず、僕よりまったく速かった!
最終日のパズル大会は参加者数はナンプレ大会より減りましたが、こうした質の良い大会を続ければパズル選手も育っていくでしょう。
この大会は中国国内の全国決勝大会ですが、主催者がわざわざアジア各国からの参加者を受け入れてくれています。おかげで僕たち外国人選手は国際交流と腕試しを楽しめましたが、若い中国人選手たちも、もしかしたら外国人選手を見て世界の刺激を感じてくれているのかもなあと思いました。
「僕の役目は、国際交流」と明言して、積極的に参加選手に話しかける円田選手(左)。
●大会に参加して ( 青木剛理 )●
ラウンドの合間にフィリピンの選手たちと。7月 27 日から3日間の日程で、北京で行われたナンプレ&パズルの大会へ参加してきました。
中国の国内大会なのですが、ゲストとして日本から2名、インドから1名、韓国とフィリピンから 10名ずつ程度が参加している大きなイベントです。
我々空港からは会場のホテルへ直行しました。大きなホールと会議室を備えたリゾートホテルのような施設。メイン会場となるホールの前には、「2019 数独大会」の大きなパネルが。そこでは各省の選手団のみなさんが記念写真を撮っていました。初日は学生が中心の大会だったようで、おそろいのシャツを着た子供達が走り回っていました。
2日目。我々の初日。会場の中に入ると、ざっくりバスケットコート4面くらいの広さ。びしっと並んだ机に予選を勝ち抜いてきた国内参加者は 350 人程度でしょうか。ざわざわとしていた会場が、開始のカウントダウンでスッと静けさに包まれるのは世界共通ですね。
午前はセミファイナル4ラウンドで、クラシック2ラウンドとバラエティ2ラウンド。50 位までが午後のファイナルへ進出。わたしはラウンド3をフィニッシュ* 出来たものの結果は 64 位相当と、中国の早解きレベルの高さに完敗でした。
午後。ファイナルもクラシック2ラウンドとバラエティ2ラウンド。わたしはここでさらなる大ブレーキを踏んでしまい、インターナショナル部門でも2位から4位へ落ちて表彰を逃してしまいました…。
3日目。午前のみを使ってパズルの大会が行われます。海外勢はほぼ全員がそのまま参加していましたが、国内の参加者はおよそ 40 名程度。会場も会議室へ移して開催されました。
ラウンド1がニコリ ** 中心、ラウンド2が世界大会でよく見かけるパズル中心の、比較的穏当なルールと難易度のパズル。ラウンド3は問題ごとにルールが変わるタイプ(LMI*** で 2017 年に出題されたルール)で、ラウンド4はメカニカル1問です。
わたしはラウンド1フィニッシュ、ラウンド2が一番乗り、ラウンド4でも一番乗りでフィニッシュしたものの、ラウンド1で大差の一番乗りをしていたインドのプラサナ選手に届かず2位で終了。
オフライン海外での大会は初めての参加だったのですが、ラウンドが始まってしまえばどこで解いても同じですね(笑)。食事も美味しかったですし、少し周辺を歩いて海外旅行気分も十分味わってきました。暑いのだけは辟易しましたが、なかなか楽しい遠征でした。
パズル選手権インターナショナル部門 2 位のトロフィーを手に笑顔の青木選手。
* フィニッシュ 制限時間内に解き終わること。
** ニコリ ニコリ社のパズル雑誌からは、多くの名作パズルが生まれている。
***LMI Logic Masters India。インドのパズル連盟が運営するコンテストサイト。
2019・8・17